ステルス戦闘機の殲-20改、二機に制圧され機は、北京空港に降り立った。
疑似思念波を放出する飛蝗が機の輸送倉庫内することは、中国機関に露呈することになった。
乗客全員下され、我々一行だけVIP専用のチェックインゾーンに通された。
「九条殿、残念ですが没収は免れないですよね。交渉の余地は何かありますか」
「残念ながら切り札は、こちらに何もないな。ボス黒紫の飛蝗はあきらめるとして、そのかわり、もう一匹の第4世代の仮ボスを何とか、所有権を表明することだな」
「
「デキルヨ」
「機外の適当な草むらに誘導しておいてくれ」
検査官を伴って、女史がやって来た。
「お久しぶりですね。九条先生。やっぱり今回もサバクトビバッタの群体のボスを追っかけてたのですね。あやうく持ち去れるところでしたわ。そちらにいらっしゃるのは、噂の早神令時先生ですね。ボス黒紫の飛蝗はお渡しできませんわ」
「早神令時です。九条とお知り合いのようですね」
「
「ボス黒紫の飛蝗は……」
「それは、もう私の研究機関から離れて軍の管轄になっております。どうしようもないですわ」
「では、もう一匹の特殊変態した個体は頂きたい」
「もう一匹は、輸送倉庫内から逃げたと報告を受けているわ。捕捉はできてるので、こちらも渡せないわね」
「いや、特殊変態した個体は頂くことになりますよ。我々はその個体をコントロールできる。
そうなると、中国の西北と留まっていた群体が東へと移動しますよ。折角、西北で静止できたのに」
「まさか、そんなことが。私達の研究でもまだ、疑似思念波を制御することができないのに」
俺は
疑似思念波を検知できる装置を持っていれば、明らかであった。アメーバ様の形状の群体がうっすらと浮かびあがろうとしていた。
「どうかな、今、
「待って、早神先生、時間を下さい」李神美は検閲官に目をやった。
俺は
李神美は、上位機関からの指示がくるまで、九条殿と楽しくおしゃべりをしているようである。
九条殿からしたら孫の美香と同年令で、かつての教え子である。
美香がメモを持ってきた。
(第4世代の仮ボスは渡すと)
「メモか、まあ、我々は、第4世代の仮ボスの飛蝗を正式に所有することができた」
「第4世代の仮ボスの飛蝗でも十分に研究価値がある。ひょっとして成熟した第3世代のボス黒紫の飛蝗よりもな」九条は李神美を
見つめながら意味深なことを言った。

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