ペガサスの翼を纏ったキメラ体の牛ドラゴンである
背には、姉の
「姉さん、令時さんを捕捉したわ。前方の宇治集落の入口ですわ」
「わかった、城門のところに降りて」
城門には、九条サクラ、リンとハズキが出迎えていた。
「
「我が止めたのじゃ。あの群体は大陸の飛蝗の群体の先鋭隊だ。今ここで叩くことは容易いが、大陸の本体と連動しておる。余計に先鋭隊が繰り出され収拾がつかなくなる」
「そうでしたか、大陸ではそのような本体が存在するのですね」
「そう、その数と生息地域はもうこの地の昆虫族の比ではないぐらいに増殖しておる。まずは、南の追走してきた単体のプラチナ甲虫スカラベを討って、大陸へ行くのじゃ」
「わかりました、この地の飛蝗の群体は、リンとハズキで持ちこたえます」
「まかせておいて、母上」ハズキがすぐさま答えた。
「二人でこの地を守ります。令時様がお戻りになられた」リンが舞い降りた紅のドラゴンを見て言った。
紅のドラゴンは人へともどり早神令時と成る。
「待たせたな、
「まあな、令時」
これだけで十分だった。思念波での思考のやりとりはもう十分すぎるほど会話をしていた。
「
「いえ、大丈夫です」人型へと変幻した
「これから、南の追走してきた単体のプラチナ甲虫スカラベを迎え討つ。
「はい。戻られたら一緒に飛翔して下さいね。このペガサスの翼で私も飛べるようになりました」
「そのようだな。飛翔速度は恐ろしく早いようだな。俺でも追いつかないだろう」
「だいじょうぶ、合わせますわ」
「ワタシワ? ワタシもペガサスの翼が欲しい」
「
紅のドラゴンと変幻した令時の背に
「やはり、令時の背の方が乗り心地が良いな。十五夜のは早すぎて、空気の流れも異様で息がしずらい」
「ワタシも十五夜姉には追い付かないなきっと。やっぱりいいなあのペガサスの翼!」
「今度、俺も人型の時に乗せてもらおう。あのスピードの秘密が分かるかもしれない」あんまり
俺も興味が沸いてきた。もしかして記憶実体魔法で復元できるかもしれない。そうすれば
漆黒の狼の
「レイジ、また何か考えごとか?」
「いや、なんでもないさ。ほらプラチナ甲虫スカラベのお出ましだ」
「あれが、甲虫王の黄金のスカラベの子孫か。親の体長よりは劣るようだが、疑似思念波が我らの思念波により近い波長だな」
「もうすぐ、接触するぞ!」

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